脳卒中地域連携パスとは

脳卒中地域連携パス

 脳卒中とは、脳の血管障害が原因で、突然の意識障害、運動麻痺、言語障害などをきたす脳梗塞・脳出血・くも膜下出血の総称で、秋田県では再発を含めて年間約3千人の方が発症しています。
 脳卒中では、運動麻痺や言語障害などの後遺症を残し、日常生活に支障をきたす場合が多く、適切なリハビリテーションが必要となります。
 脳卒中発症後には、速やかに手術や点滴などの急性期医療を開始し、急性期から回復期、維持期(在宅)へとリハビリテーションを切れ目なく行い、医療・介護サービスが提供されることが求められています。そのためには、急性期病院から早期に回復期リハビリテーション病院へ転院を図り、集中的なリハビリテーションを行い、地域のかかりつけ医と連携を密にして在宅復帰を目指すことが必要です。
 この急性期病院、回復期リハビリテーション病院、かかりつけ医等を連携し、情報を共有し、それぞれの専門性・機能を特化・向上させる手段として、脳卒中地域連携パスが考えられました。脳卒中地域連携パスには、急性期、回復期、維持期での退院・転院基準、治療内容、リハビリ内容、日常生活機能評価等が記載され、それぞれの時期に患者さん、御家族にご説明し、お渡しします。
 そして、回復期リハビリテーション病院の退院時に急性期病院にフィードバックされ、解析されて、今後の改善に役立てられます。さらに、かかりつけ医から急性期病院に紹介する際に利用すればより多くの情報提供が行えます。
 国の医療制度改革大網に、四疾病(脳卒中・がん・心筋梗塞・糖尿病)五事業(救急・災害・へき地・周産期・小児医療)の医療連携を構築することが謳われ、秋田県医療保健福祉計画にも、脳卒中地域連携パスの導入を目指すことが示されています。
 平成21年5月、能代市山本郡において脳卒中地域連携パスを考える会が開催され、その運用が始まっています。

院長 島田 薫